コンパネ(せき板)

コンパネは型枠大工にとって最も使用する材料の一つです。これなしでは型枠大工は語れませんし、マンションやビルも建ちません!


コンクリートパネル

コンパネとは型枠に使用するコンクリートパネルの略称です。

JASに記載されている コンクリート型枠用合板の規格 に沿った物が一般的に使用されています。樹種としては広葉樹、針葉樹、複合とありますが最近では針葉樹がメインに使用されています。

その用途は多岐にわたります。主な用途としては、家具やキャビネット、棚、壁パネル、天井パネル、床板、ドアなどが挙げられます。また、建築現場では、仮設の壁や仕切り、型枠、床下地などにも使用されることがあります。


合板と呼ばれている板の一種で、ベニヤ板を複数層に重ね合わせて接着した板で出来ています。その際に繊維方向をジェンガの様に交互に重ね合わせることで、より強度を生み出し、木材の欠点である反りやゆがみを最小限に抑えることも可能です。

切断や加工がしやすく、釘も打てるほどの強度があるので型枠材として使用されています。基本的には表面にウレタン塗料が塗られているパネコートと呼ばれる種類を使用しています。コンクリートが剝がれやすいようになっています。


コンパネにはさまざまなグレードや仕上げがあります。グレードは主に材料の品質と外観に関連しており、使用目的や予算に応じて選択することができます。仕上げには、表面の滑らかさや塗装のしやすさなどが考慮されます。

ただし、コンパネは湿気に弱いため、高温多湿な環境や水のかかる場所では使用することができません。また、耐火性も低いため、防火性が求められる場所では適切ではありません。


ベニヤ板

ベニヤ板とは木の丸太から薄く大根のかつら剥きの様に剥いで作られた単層の板のことです。語源としては英語で突板を意味する「Veneer(ベニア)」とされており、0.6mmから3mmの単層からなる板を指します。

薄く強度も無いですが、曲げやすく加工しやすいです。


サイズ

型枠大工が使用するコンパネには主に2種類のサイズがあります。

3尺×6尺 サブロク板…910㎜×1820㎜(900㎜×1800㎜)

2尺×6尺  ニロク版…610㎜×1820㎜(600㎜×1800㎜) ※1尺が約303mm(30.3cm)

製品としてのコンパネは基本的に使いやすいように()内のキリよいサイズになっています。

日本では畳なども昔ながらの尺寸法が残っていることも多いですね。


加工

型枠大工はコンパネを切断したり、時には曲げたりして様々な形の建物を作ります。

コンパネの加工精度が良ければ現場での建て込みがし易くなり、建物の精度も良く、きれいに仕上がります。

複雑な形の構造物を作る際には様々な形の型枠を組み合わせることになるので、コンパネを加工するところから型枠大工の腕の見せ所なのです。


解体・再利用

**再利用の手順と注意点**:


1. **点検と修復**: 取り外したコンパネを点検し、破損や割れ、歪みなどのダメージがある場合は修復が必要です。破損部分を修理し、再利用可能な状態に戻すことが重要です。


2. **寸法と角度のチェック**: コンパネの寸法や角度が正確であることを確認します。コンパネが歪んでいたり、寸法が変わっていると、新しい型枠としての適性が低下します。


3. **清掃と保管**: コンクリートの付着物や汚れをきれいに取り除き、乾燥させます。湿気や水分がコンパネに浸透しないように注意し、保管する際は平らな場所に積み重ねず、歪みを防ぐように保管します。


4. **再利用計画**: コンパネを再利用するプロジェクトごとに適切な計画を立てます。どの部分でどのコンパネを再利用するか、修復や補修が必要かどうかを評価し、適切な作業を進めます。


5. **油やリリース剤の再適用**: コンクリートとの接着を防ぐために、型枠油やリリース剤を再度塗布することが推奨される場合があります。これにより、再利用時の取り外しがスムーズに行えます。


6. **劣化のモニタリング**: コンパネの再利用に際しては、使用回数が増えるにつれて強度や寸法の変化が生じる可能性があります。定期的にコンパネの劣化をモニタリングし、必要に応じて修復や交換を行います。


7. **プロジェクトの適性**: 再利用するコンパネの用途を検討します。一度使用したコンパネが特定の形状や構造に適しているかどうかを判断し、適切なプロジェクトに再利用します。


**利点と注意点**:


再利用の利点は以下の通りです:


- **コスト削減**: 新しいコンパネを購入するコストを削減できます。

- **資源節約**: 再利用により、木材などの資源を節約できます。

- **環境への配慮**: 再利用は廃棄物の削減につながり、環境への負荷を軽減します。


一方で、注意が必要な点もあります:


- **寿命の制限**: コンパネは使用回数が増えるにつれて劣化する可能性があるため、適切な点検とメンテナンスが必要です。

- **品質の影響**: 劣化したコンパネを再利用すると、新しいコンパネと比べて型枠の品質が低下する可能性があります。

- **適性の判断**: 再利用するコンパネが特定のプロジェクトに適しているかどうかを注意深く評価する必要があります。


コンパネの再利用は、経済的な利益と環境への配慮を両立させるために重要なアプローチです。適切な管理とメンテナンスを行いながら、プロジェクトごとに最適な判断を行うことが大切です